Figma/Photoshopで作るゲームUIデザインの基本

画面上のUI・インターフェース
アイキャッチ:画面上のUI・インターフェース(Photo: Unsplash

ゲームのUIデザインは、一般的なアプリやWebのUIとは少し勝手が違います。アプリのUIが「邪魔にならないこと」を美徳とするのに対し、ゲームのUIは世界観の一部として、時に主役級の存在感を求められます。とはいえ、凝りすぎて操作しづらくなっては本末転倒です。今回は、FigmaやPhotoshopといった身近なツールで、ゲームらしさと使いやすさを両立させるUIを作るための基本を整理します。

まず「情報の優先順位」を紙に書き出す

ツールを開く前にやるべきことがあります。それは、その画面で「プレイヤーが最も知りたいことは何か」を決めることです。UIが散らかる原因のほとんどは、あれもこれも表示したいという欲張りから生まれます。

私は新しい画面を設計するとき、まず表示したい情報をすべて紙に書き出し、それを「絶対に必要」「あれば嬉しい」「なくてもいい」の三段階に仕分けます。恋愛ゲームの会話画面なら、台詞と話者は絶対、好感度の変化はあれば嬉しい、細かなステータスはなくてもいい、といった具合です。この優先順位が決まって初めて、大きく見せるもの、小さく添えるもの、いっそ隠すものが判断できます。ツールの機能は、この判断を美しく実装する手段にすぎません。優先順位のない状態でFigmaを開くと、必ず装飾から迷子になります。

コード・UI要素が並ぶ画面
コード・UI要素が並ぶ画面(Photo: Unsplash

FigmaとPhotoshop、役割を分けて使う

両方使えると強いのですが、混同すると効率が落ちます。私の使い分けは明快で、Figmaは「構造と配置」、Photoshopは「質感と描き込み」を担当させます。

Figmaはコンポーネントやオートレイアウトの機能が優秀で、ボタンやウィンドウの配置、余白の調整、複数画面の一貫性を保つのに向いています。数値でぴったり揃えられるので、UIの骨格作りはここで完結させます。一方、そのボタンに古びた金属の質感を乗せたい、羊皮紙のようなテクスチャを敷きたい、といった絵としての作り込みはPhotoshopの領分です。私はFigmaで全体のレイアウトと配置を固め、確定したパーツだけをPhotoshopで丁寧に描き込む、という順序で作業します。骨格を先に、化粧を後に。この順序を守ると、質感を作り込んだ後で配置をやり直す、という悲劇を避けられます。

「押せる」ことが一目で伝わるか

ゲームUIで意外と難しいのが、どこが操作できるかを直感的に伝えることです。世界観に馴染ませようとしてボタンを装飾に溶け込ませすぎると、プレイヤーは「これは押せるのか、ただの飾りなのか」と迷います。

私はテストプレイで何度もこの壁にぶつかりました。凝った枠飾りの中のテキストが、実はボタンだと気づかれず素通りされるのです。以来、操作できる要素には必ず「触れる予感」を持たせるようにしています。わずかな影で浮かせる、押されたときに沈む反応を用意する、他より少しだけ明度を上げる。派手である必要はなく、周囲との差が認識できれば十分です。美しさと分かりやすさが衝突したときは、迷わず分かりやすさを取る。UIは眺めるものではなく、触ってもらって初めて意味を持つからです。

実機サイズで確認する習慣

デザインツールの大きな画面で完璧に見えたUIが、実際のスマホやゲーム画面では窮屈で読みづらい、というのはあまりにもよくある失敗です。とくに文字サイズとタップ領域は、実機で確認しないと感覚がつかめません。

私は作業の途中で必ず、デザインを実際の解像度に縮小し、できれば実機に転送して確認します。指で押してみて、隣のボタンを誤爆しないか。屋外の明るさでも文字が読めるか。この確認を怠ると、開発中はずっと快適だったのにリリース後に「押しにくい」と言われる、という手戻りが発生します。UIは最終的にプレイヤーの手と目の中で機能するものです。作り手の大画面ではなく、遊び手の環境を基準に据える。この一手間が、独りよがりでないUIを作る分かれ目になります。

まとめ

ゲームUIの基本は、ツールを開く前に情報の優先順位を決めることから始まります。Figmaで構造と配置を固め、Photoshopで質感を描き込む役割分担を守り、操作できる要素には触れる予感を持たせる。そして必ず実機サイズで確認する。世界観への没入と使いやすさは対立しがちですが、迷ったら分かりやすさを優先する。触ってもらって初めて完成するのが、ゲームUIなのです。

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