ストーリー(シナリオ)を勉強し始めたキッカケ
僕は漫画家を目指し、短編を描く日々を送っていました。まずは絵に集中しがちで後からストーリーの重要性に気づき始めました。
漫画のストーリーや映画シナリオなどをうまく作るにはどうすれば良いのだろう?
そこから絵の勉強に加えてシナリオの作り方の勉強も始まったのです。
その勉強と努力のおかげでコミックバンチやヤングアニマルで新人賞などを獲得することができ、担当がついて漫画家を目指す日々を過ごしていました。
しかし途中でデザイナー、イラストレーターとしてゲーム業界に入ることになったのですが
結局はこの勉強をしたことは今でも大きく自分の仕事に活かされています。
これから自分がいろんな本や映像などで勉強してきた内容を皆さんに共有したいと思います。
1.ログライン(=プレミス)を決める
シナリオには「ログライン(=プレミス)」という用語があります。
作品の楽しさを一行で表現したシノプシスよりも簡単な表現であります。
例えばワンピースのログラインは「海賊王になるために同僚と苦難を乗り越えるルフィの冒険物語」くらいに表現できて
鋼の錬金術師は「体を取り戻すためのエリック兄弟の冒険」
鬼滅の刃は「血鬼にされた妹を人間に戻すために戦う炭治郎での話」でしょう。
このログラインをはっきりさせる事によって自分がどんなストーリーを書き、どんな面白さを与えるかを具現化できます。
ワンピースのログラインを見ると、「仲間」というキーワードと「悪党」、「冒険」というキーワードが考えられます。
それによってルフィは続けて仲間を集めて、悪党と戦う冒険をすることになるのです。
2.メインテーマが必要
しかし、ログラインの表現では、1次的な面白さしか伝えることができません。
これだけでかなりの面白さを感じさせられますが、クリエイターに達はもっと素晴らしい話をしたいはず!
そのために必要な事がメインテーマであります。
だとするとワンピースのメインテーマは何でしょう?
それはまさに「自由」であります。作中でルフィはこう話します。
ルフィが考える海賊王は「自由人」であります。
ところでワンピースの世界観を考えてみましょう。
ワンピース悪役は、島一つを「支配」していいます。
そこで、ルフィ一行は自由を抑圧する悪者を倒し、自由を取り戻し悪の支配から解放し自由にさせる内容になります。
そして鋼の錬金術師のメインテーマはどうでしょう?
「結果がいくら良くても、その過程が正しくなければならない。」かと思います。
エルリック兄弟は、自分の過ちにより体を失ってしまい、体を戻す方法を見つけるために旅を始めます。
旅の途中でエルリック兄弟は、賢者の石を使う機会が何度もありました。
しかしエルリック兄弟は、賢者の石を使わない。
その理由は何だろうか?
エルリック兄弟は、旅行をして様々な人に出会います。
その出会う人々には共通点が一つあります。
それは過去に過ちがある事。
マスタング大佐に代表される軍人は戦争で多くの人を殺した。
師匠のイズミカーティスは人体錬成の結果、身体の一部を失っている。
しかし、彼らは自分の過ちと向き合って正しい正義を行うため苦難の道を歩んでいます。
一方、ホムンクルス達は自分たちの野望を叶うために邪道を歩んでいます。
仲間とホムンクルスとのを見ていると鋼の錬金術師の作品全般に過程と結果についての物語で詰まっていると思います。
そのテーマを最後まで貫いてるからこそ鋼の錬金術師を名作と呼ばれる理由ではないでしょうか。
3.真の面白さは、キャラクタから出てくる。
陳腐な魔王歴なんちゃらかんちゃらでも面白さを感じる作品は数多くあります。
斬新な世界観でないのにどうやって面白さを感じさせてるのと尋ねる人もいるでしょう。
考えをしてみよう。
面白さとは何でしょう?
ただ爆破させ、血を流し、美人・美男が溢れれば楽しいかな?
これらも楽しさの一部にはなりますが
しかし、この面白さも含め、人々への面白さは「キャラクター」から生み出されます。
近年の一番ヒット作であるマーベル映画を考えてみよう。
マーベル映画は法則があります。
1作目は無条件的に、必ず主人公の誕生の話です。
アイアンマン1、キャプテン・アメリカ1、マイティ・ソー1
さらに内容も全部似ています。
底まで墜落した主人公(傲慢なスターク、弱虫スティーブは、追放されたソー)
あるきっかけで力と動機を得ます。(インセン博士とスーツ、ハイドラと血清、人間の友達とミョルニル)
主人公が葛藤を乗り越え、活躍をし、最終的に最終ボスと戦って勝利。
内容はまったく同じ流れです。
しかし、我々が違う映画だとと思う理由は、まさに「キャラクター」が異なるからです。
傲慢な億万長者からヒーローになったスターク。
弱虫から血清を打ち正義のヒーローになったスティーブ。
人々を思いやり、神としての力を得たソー。
マーベル映画には魅力的なキャラクターがあるからこそ絶大な人気を得る事ができたと思います。
4.結末
名作と駄作を分ける基準は最後話です。
これは本当に作家の力量にかかった問題です。
作家が普段どんな考えをして来たのか、作品にどんなテーマを入れたのかによって違ってくるでしょう。
初心者の作家は、壮大な結末よりは自分が書ける範囲内で結末を書くことをお勧めします。
例えば、
継母とお姉さんたちにいじめにあったシンデレラは妖精に会って、最終的に王子と結婚しました!ハッピーエンド!」
ウサギと亀のように誠実な子は勝ちます!ハッピーエンド!
このような単純な明確なエンディングにした方がよいと思います。
悲劇的なエンディングは容易ではないし、読者に納得させる事も難しい。
自分が悲劇的なエンディングをどうしても書きたいと思うなら!!沢山描くしかありませんね!
5.おわりに。
文を書くのは簡単なことですが、毎日文書を描くのは難しいです。
しかし、忍耐強く取り込めば誰でも書くことはできます。
誰もが文は才能と言いますが、私は絵と同様で才能ではなく、努力だと思います。
思考を広げ、視野を広げ、自分の芯を持つ事によってクオリティが変わると思います。
多作、多読。
すべての創作物の基本だと言います。
根気強く読み書き、考え、他の人とその考えを共有するようにしましょう。
それ以上自分の世界を広げることができる方法はないと思います。
クリエイターを目指すものに幸あれ。